とりどり便り

鳥好きの鳥だらけブログ

トリ年あけましておめでとうございます

 2017年あけましておめでとうございます!
今年は12年に一度の酉年ということで
鳥好きさんには嬉しく、また色々な鳥関連のイベントも
多くお話を聞いています。
しかし一方で鳥インフルエンザの猛威が例年より激しく
例年被害の出ている養鶏場以外にも動物園の鳥や
公園などの野鳥・飼育鳥の被害も出ているようなので
生体関連のイベントなどは中止になっているものも
残念ながら多いようです。
現段階では日本で人に罹患するような事態までは
なかなかならないとは思われていますが
予防に越したことは無く、
感受性の高い・低いはあれど鳥には沢山の命に
関わる事態になる可能性が懸念されるため
くれぐれも自宅の愛鳥さんやご近所の鳥さん
合わせてお気をつけください。

鳥インフルエンザについて参考リンク

日本野鳥の会 : 高病原性鳥インフルエンザの発生状況(2016年12月22日現在)

ペットの鳥を鳥インフルエンザに感染させないための対策について~ 東京都福祉保健局

 

そんなこんなで年の初めから暗い話題で
スタートとなってしまいましたが、
せっかくトリ年元旦なので、楽しい話も!
「世界のインコ」の出来上がった本を送っていただいて
たくさんのオウムやインコの写真を見ていて、
自分のオウム目探鳥旅を思い出したので
「オールバード」誌VOL.3・VOL.7の
とりどり便りで話していた、オーストラリアの色々な鳥を。
2015年の2月と8月のオーストラリアケアンズ、ブリズベン周辺で見た
インコ・オウムの話でした。

インコ・オウム好きには聖地のようなオーストラリア(以下AU)、
生息する種類はインコの仲間だけでも
50種以上、オウムに至ってはオーストラリア及び周辺の島々のみの分布だよ、
ということでとても来たかった場所です。
AUは面積にして日本が約20個分と広い為、
地域によって見ることの出来る鳥もかなり違うのですが、
ケアンズでは市街でも観光客で賑わうメインストリートの街路樹が
ゴシキセイガイインコのねぐらになっていたり、
スーパーマーケットの駐車場の用水路にキバタンが皆で水を飲みに来ていたり、
公園のマンゴーやナッツの樹でアカオクロオウムが
もしゃもしゃと実を食べていたり…。

っていう本文の写真部分になります↓

本来は市街地に居る鳥ではないのだけど
何年か前のハリケーンでねぐらが分断して一部市街で
見られるようになったそうです。
日本語で「柔道」と書いてある道場の前のちっちゃな公園で
大きなオウムが20羽くらい、手すりに留まったり道路に降りて
もしゃもしゃとナッツを食べている光景は、
なんだか大変不思議でした!アカオクロオウム。

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オーストラリアの中の少し賑やかな街中で
一番見やすいと思われるオウム科、キバタン。
日本の住宅地にあるスーパーマーケットとまったく同じシチュエーションの
街中のスーパーの駐車場の樹がねぐらになっていて
横の用水路で寝る前の水分補給をしているところ。
住宅地を歩いていてもよく「ギャー!」という声を聞いて何!?と見上げると
暴れながら飛んでたりという光景を見かけました。

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こちらは大都市シドニーの公園内で見たアカビタイムジオウム。
都会のど真ん中の賑やかな公園ですが、
50羽弱くらいの群れで公園周りの樹樹で寝たり戯れたりしていました。
とても普通に飛んでいるので最初気が付かず、
なんでこの公園のハトは皆白いんだろう…
ハトにしてはゆっくりした飛び方だし…
Σ(@@;)アッッッ(お目当て!)ってなりました。

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オーストラリアでインコと言えば圧倒的にゴシキセイガイインコが
眼に入ります。
夜も賑やかな飲食街の街路樹にねぐらの樹があったりして
夕方から見てると四方八方から集まってくるので面白かったですが
キバタンのねぐらと同様、ものすごい鳴き声で、
寄ると触るとギャギャギャともめてなかなか寝ないしで
日本で良く問題視される駅前のムクドリセキレイのねぐらを
思い出しました。フンの量もやはりすごかったのだけど
地元でやはり問題になったりするのかな。
ケアンズはオオコウモリのねぐらが保護・撤去派に分かれて
いつももめているのだというお話も聞いたり。

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ここから少し郊外の鳥。
郊外の鳥だけあって警戒心が強く、なかなかじっくり
みることは出来ませんでしたが、何度かニアミスしました。
サメクサインコの、このあたりに分布する顔が白っぽい亜種。

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こちらも警戒心ばりばりのお顔、ハゴロモインコのオス。
綺麗なオスが見られて良かったですねと言われたので
あまり綺麗じゃないオスも居るのかな~。
若鳥は赤が薄いとかですかね?

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こちらは意外と近くにいるけど小さすぎて見えないイチジクインコ。
ペアで居たのですが、写真が撮れたのはメスだけでした!
その後、ケアンズの動物園で近くまじまじと見られましたが
赤に青に緑にと、とても綺麗な鳥さんでした。

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こちらからは居てはいけないのでは?という移入種ゾーン。
キバタンのねぐらにはアカビタイムジオウムとテンジクバタンが
何羽か混ざっていて、
アカビタイはぎりぎり分布していてもおかしくないけど
テンジクは逃げ出した飼い鳥なのではないかな、というお話でした。

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こちらは完全で居るはずのない南米インコの
ホオミドリアカオウロコインコ。
10何年も豪住の現地の鳥ガイドさんが「あれはなんだ?」と言い
初豪ドシロウトのわたしがフルネーム答えるという
まさかの事態でした。
捕まえられなかったのですが、とても楽しそうにのんびり遊んでいました…。

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今年もお世話になりました!

2016年最後に振り返ってみれば、
本年結局9個しかブログ記事更新ならず!で、
下書きだけは色々貯めていたのですが…
2017年は少しずつでも出していければと思います(><)!!

そんなわけで動けなかった2016年に
すっかり時期を逃してしまった告知です。
2016年11月発売の「世界のインコ」開発社という本の
前章で少し執筆をさせていただきました。

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内容紹介

色とりどりのかわいい鳥たちが大集合!
今、ペットとして犬猫に次いで人気を集めているインコ。
その種類は、300種を超えるといわれています。
本書は、そんな世界に生息する多数のインコの中から
100種類のインコ(とオウム)を写真とともに解説していきます。
監修には、『ザ・インコ&オウム』をはじめ、
インコに関する著書を多く持つ日本のインコの第一人者であり、
ヤマザキ動物専門学校で鳥類学講師をされている磯崎哲也氏が担当しております。
現在、市場にインコの種類に関してここまで大々的に扱った本はありません。
そういう意味でも本書は、インコに関心を持つすべての人たちにとって
待望の書といえるでしょう。

Amazon紹介ページより※

コンパニオンバードとしてだけではなく
オウム目の鳥、というところに重点を置いたしっかりとした
インコ・オウムの本を作りたい!との担当者さまの声の通り
様々な種類のインコ・オウムの本です。
なかなか見ないような種類も出演しており、
「ザ・インコ&オウム」等々の本でインコ・オウムの知識を
わくわくと読んできた身には、ドキドキの監修・磯崎先生!!
ほんの少しのページですし、
分類についてなど、分類和名がきちんと定まっていないので
好きな名前で呼んでいたり、お叱りを受けてしまうかもしれませんが
私の興味ある好きな分野を濃く書かせていただき
とても楽しい本となりました。
ぜひお手に取って一緒にインコ・オウムの世界を
楽しんでいただければうれしいです。
よろしくお願いいたします!

追記で大変申し訳ございません。
最大のオウム科をオオバタンと書いてしまい。
本当はヤシオウムです。個体によってはオオバタンの方が
大きいこともありますが、
基本的にはヤシオウムの方が大きいです。
つい自分の知っているコンパニオンバード内だけの
感覚で書いてしまい、
本当に申し訳ございません。

「とりどり便り」を連載をさせていただいていた
愛鳥家雑誌「オールバード」誌も10号で休刊とのことで
リニューアルからの短い期間、拙い連載でしたが、
ご覧いただいて本当にありがとうございました。
「オールバード」は私が鳥に関わる職に就く前からあった
鳥の専門誌で、今のように沢山のコンパニオンバードにまつわる
書籍やインターネットの情報・コミュニティの無かった頃からの
貴重な鳥の本だったので
ひとつの歴史が終わってしまったようでとても残念です。
若かりし頃、鳥のイベント行って写りこんでいた写真が
不意に掲載されたりしててビックリしたりしていました(笑)
また、何らかの形で復活出来れば良いなぁと思っています。

そんなこんなですっかりサボってしまった2016年ですが、
年始早々からヨウムの国際希少種登録の開始などもありますし
2017年はもっと色々発信していけるように頑張りたいです。
今年も一年、ありがとうございました!

2017年もどうぞ、よろしくお願いいたします^^)

 

 

野生ヨウムの絶滅危惧とワシントン条約付属書Ⅰ類 その3

その2のハズでしたが、その3になってしまいました
ヨウムワシントン条約附属書Ⅰ類掲載が提案・議決されたそもそもの要因である
野生個体数の激減について。

野生のヨウムは丁度アフリカ大陸の真ん中辺りの低地森林に生息をしており、
西アフリカに位置するガーナから中央・東アフリカのケニアまで広く
約14の国にまたがり横長に分布し、
一番大きく分布域を占めている国はコンゴ民主共和国です。
国際自然保護連盟(ICUN)によるレッドリストでは
コイネズミヨウムと共に絶滅の危険が増大し、
数を減らしている要因が継続する状況のままだと近い将来
「絶滅危惧Ⅰ類(近い将来絶滅の危険性が極めて高い)」への移行が
確実とされている絶滅危惧Ⅱ類VUにランク付けされています。
「数を減らしている要因」として、ペットとしての需要が多く捕獲圧が高いこと、
生息環境の悪化、また農作物を荒らす害鳥として現地で扱われていることなどで
野生下生息数の激減が判明し絶滅が大きく懸念されて
保護活動の必要性が大きく叫ばれています。

私は残念ながら現地で直接ヨウムの野生の姿を見たこと、聞いたことが無く
各所からの情報や現地で直接保全に関わっている方の話を少し聞く
くらいしか出来てはいないのですが、
それでもここ数年のインターネットへの掲載情報の取り上げられる
数が増加し、またそれが英語だけではなく
日本語の記事にも度々なっているということ自体が
事の深刻さを表しているような気もします。

2016/2/8掲載

ガーナでは間もなくヨウムが絶滅するかも知れない | バードライフ・インターナショナル東京

2016/2/10

natgeo.nikkeibp.co.jp

 

このふたつの記事はどちらも英語記事の日本語翻訳ですが、
同じ論文調査データからの報道になっています。
ヨウムが生息する西~中央アフリカの国のひとつ、
ガーナで調査、現地の人からの聞き取りの結果
たった20年前には千羽以上の群れがそこかしこで見られていたガーナの森で
現在ヨウムの姿がほぼ見られず、
地域絶滅のような状態だという記事です。

ここからのリンクは密輸の現場で行われている
現状を写真で見ることが出来ます。
英語記事ですが、写真を見るだけでも言葉だけで分からない
一羽のヨウムが輸入国に生きて届くのに20羽が死んでいる
という状況を目の当たりに出来るのはないかと思います。
目の当たりだけに、悲惨な写真が多いので
見たくない方は閲覧注意でお願いします。

 

非合法の捕獲が多く大きな問題となっている
コンゴ民主共和国(DRC)で活動している
野生動物プロジェクトのブログ。

African Grey Parrot Bust _ Now What? 

www.bonoboincongo.com

 

コンゴ民主共和国での違法捕獲・輸出は野生ヨウムの問題に
大きな割合を占めていて、今回のワシントン条約第17回締約国会議(CoP17)
プレスリリースでも議題に上るほど問題視されています。

World’s wildlife trade regulator meets to assess compliance with multilateral rules, strengthen measures to prevent extinctions and tackle illicit trafficking | CITES

Export of Grey parrots from DRC」という項目があります。

 

ヨウムの違法取引についてのインタビュー

残念ながら私が英語が分からない人間なため…
リーディングだけなら翻訳ソフトや辞書を片手に
長時間の戦いでなんとなく意味をとらえられるのですが
リスニングが壊滅の為、インタビュー内容自体が理解出来ていません。
(どなたか英訳助けてくださるととても嬉しいです…!!)
なので本当に映像のみの紹介ですが…
ヨウムを実際に飼っていらっしゃる方の方が
基本神経質な性格をとてもよく分かっていると思います。
個体差あるので一概ではないですが、ヨウムは頭が良いと言われる分
慎重で臆病でずっと相手を観察して観察して観察して
ようやく近寄ってくるような傾向を持っています。
野生のヨウムを違法捕獲する方法は、
デコイ(姿を模した模型)や本物のヨウムをおとりに使い
群れごと来そうな場所におびきよせ、
とりもちなどで一網打尽にしてしまうそうです。
そのようなやり方で捕えられるとケガや欠損も多く、
その後この映像の状態にされること自体、その繊細な性格にはものすごく
負担がかかるだろうと思います。
精神的にだけでなく、衛生や栄養の問題、寄生虫感染症
どれをとっても生き延びられる可能性の少ない状態に見えます。

 

最後に出てくる沢山の野生ヨウムが飛び交っている姿、
いつか自分の眼で見るのが夢のひとつです。
昨年オセアニアで野生のオウム・インコを見た時
その身体能力やうつくしさ、表情に圧倒されました。
アフリカなので容易には行けないと思いますが
野生のヨウムを見た時、飼育下のヨウムしか見たことの無い
自分が何を思うのか、知りたいです。

第17回ワシントン条約締結会議にて、
サイテスⅠ類掲載種となったヨウム
提案がされ議決が行われるには基本的には
科学的調査に基づいた専門機関からの確認データによる
生息数評価などが必要とされますが、
ヨウムに関しては正確な数字が出ていないにも関わらず
他の科学的根拠や生息地状況などから判断されての
ランクアップであったとのお話でした。
それだけ現地の状況が危急でデータを待っていては
とりかえしのつかない状態だという
関係諸国・団体の判断なのだと実感します。

ヨウムの密猟については、
国を越えて他国のヨウムを狩猟しているものや
現地の取締当局の不正汚職などの現地でのたくさんの問題や
人工繁殖が確立していないにも関わらず
ペットバードとしての人気が高く世界から需要があるため
繁殖個体であっても結局は親鳥として野生個体を回している
ような状況であることなど
複雑に問題が絡み合っているというお話を聞きました。
サイテスⅠ類掲載になったからといって
すぐに野生ヨウムの個体数が回復するわけではないということは
前回のブログにも書きましたが、
今回のサイテスⅠ類掲載により、世界に大きく情報が流れたことが
何よりの収穫なのかなと思っています。
野生動物を取り巻く状況は近年確実に変わって来ていて
今回の会議でも今までと違う空気を感じたと
実際に参加された方がお話しされていました。
ささやかな私の周りでも、そういうことに興味をもつ
一般の方が増えているように感じます。
先日、愛知県で開催されていた「あいちトリエンナーレ2016」
という現代芸術祭での鳥を扱った展示状況が劣悪であると
個人の方が声をあげ、
現状を鳥にとって良い方へ変えるということがありました。
そういう、ひとりひとりの考えが
大きな力になれる時代になってきています。
専門家だけでなく、普通に鳥が好き、鳥が好きでなくても
不幸な生きものがいるのはいやだという普通のひとたちが
少しづつでも現状を知り、考え、声をあげていけば
流れを変えることも出来るのではないかと思います。


そうして、流れを変えた動物として、珍しい鳥ではなくなったヨウム
現地で会えることも夢のひとつです。

 

 

 

野生ヨウムの絶滅危惧とワシントン条約付属書Ⅰ類 その2

南アフリカヨハネスブルクで開催されている
ワシントン条約第17回締約国会議にて
本日、ヨウムワシントン条約付属書Ⅱから附属書Ⅰ掲載への
提案が決議されました。

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CITES CoP17とも呼ばれる今回の会議は
2016年9月24日から10月5日まで開催予定で、
象牙の問題に絡むアフリカゾウについての提案や
センザンコウやサメなど
動物・植物約60種についての話し合いがされています。

ヨウムについては、前回ブログでもお伝えしたような
非合法取引による野生個体の激減が問題となり
現在の附属書Ⅱ類(サイテスⅡ)から附属書Ⅰ類(サイテスⅠ)への
レベルアップが検討され、日本から会議に参加している
野生生物保全論研究会さんのヨウム掲載会議についての
現地レポートによると、

www.facebook.com

参加国の投票により、圧倒的多数の賛成票で
ヨウムのⅠ類移行が決定したようです。
これにより、国際取引が大幅に制限され、
基本的には学術や研究目的ではない商業のための
輸出入が禁止されます。
この決定により、
コンパニオンバードとしてのヨウムについての話としては
大きくふたつ、

1・今までのように海外から
ペットとしての輸入が出来なくなります。
(動物園等の施設で学術研究のためとしての
 輸入は可能です。)

ただ繁殖証明書があるブリード(繁殖)個体は
ペットしての輸入が可能なため、
海外の繁殖場からの輸入が無くなることはないかと思われます。
ヨウムは世界的に人気のあるペットでもあり
繁殖もものすごく難しいわけではないため
現在でもブリードの輸入個体は日本に入ってきています。

2・ワシントン条約での決定から通常約90日で効力を発揮する
日本の国内法、
絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」(種の保存法
により、Ⅰ類記載の動植物は国際的に保全協力が必要な種を守るため、
国際希少野生動植物種として指定され、

環境省_国際希少野生動植物種一覧

日本国内での譲渡(販売も含む)に登録証が必要となります。
こちらの登録については前回ブログの通りです。

野生ヨウムの絶滅危惧とワシントン条約付属書Ⅰ類 その1 - とりどり便り

すでにヨウムが居るおうちで問題となるのは
環境省への国際希少種登録について、
これからお迎えを考えている方にとっては
条約による制限により輸入数が減ることが予測がされ、
手に入りにくくなること、値段があがることが予想されます。

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野生個体の激減を受けて今回の決議がされた
ヨウムのⅠ類掲載ですが、
「今すでに絶滅する危険性がある生き物 」を守るための
サイテスⅠ入りを

「え?数が減ってる?では今が販売のチャンス!」や
「え?数が減ってる?じゃあ今のうちに手に入れておかなきゃ!」

というような希少動物に認定されたから、珍しいだろうから
という価値観に置き換えて、
生体販売数がむしろ掲載後に増える例や
駆け込み販売と言われるような、手に入りにくくなる
状況を予想してその前に売っておこう、買っておこう!というような
ケースもとても残念なことに、耳にします。

現在の野生ヨウムの激減は、非合法での密猟も大きな要因を占めており
また、繁殖証明書のあるブリード個体であっても
その繁殖に使われている親鳥たちが
非合法で捕えられた野生個体であるというような
パターンも少なくなくあるようです。
附属書掲載がⅡからⅠに上がったとしても
そもそもが非合法であれば、法的規制が大きくなっても
それだけで野生ヨウムの数が回復するということは、
残念ながら無いと思います。
ただ、国際的に大きな問題として捉えられ、
輸出国だけでなく輸入国各国内での
法的な力が大きくなることなどで、
今よりも大きな抑止力となることは間違いがありません。

今回のサイテスⅠ類掲載を

「手続きが増えてめんどくさい」
「手に入らなくなって困る」

と思う方は、多分このブログを見に来ないのでは
無いかなあとは思うのですが、
もし、そういう方が周りに居たり
飼っている、興味があるのに何も周辺事情を知らない方が居たり、
たまたまどこかでヨウムや他のコンパニオンバードを見たり
話をする機会があれば
重い話だなあ…と嫌がられるかもしれませんが
それをその方々に伝えていくだけでも
野生ヨウムの絶滅というかなしい予想を
止める力になるのではないかなと思います。


前回ブログに野生ヨウムの絶滅危惧については
また次回!
とか書いておきながら、
結局サイテスⅠ掲載決定まで
何も書けなかったため、
また次回野生ヨウムについて続きます。
ごめんなさい…m(__)m
ツイッターでは、ブログよりはまだ
更新しておりますので
よろしければそちらもご覧ください。
https://twitter.com/torizo_

主に興味のある鳥情報の紹介ばかりに
なっていますが^^;)
よろしくお願いいたします。

<掲載写真撮影地>富士花鳥園 
※写真撮影地・個体は本文と何も関係ありません。
 先日訪問した時に見たヨウムさんたち。※

 

野生ヨウムの絶滅危惧とワシントン条約付属書Ⅰ類 その1

先日発売のオールバードに書かせていただいた
野生ヨウムの絶滅危惧に伴う国際取引について、
ワシントン条約での附属書Ⅰ類指定されるのではないかというお話について
本日のニュースで続報が出ており、
愛鳥家さんだけでなく、かなり世間的に注目をあびる記事となっているようです。

今年9月に行われるワシントン条約締結国会議で
ヨウムの附属書Ⅰ類指定はかなり確実となりそうな記事内容です。
オールバード8号では、この件について、
現在飼育中のヨウムが附属書Ⅰ類(サイテスⅠ)指定となった場合に備え
どうしたら良いのか?などを書かせていただきました。

正式名称「絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約
最初の条約締結された都市の名を取り「ワシントン条約
英語での頭文字を取って略称「CITES(サイテス)」とも呼ばれ
その正式名称の通り、絶滅が危惧される動植物についての
国同士での輸出入についての取り決めで、現在約180の国で効力を持っています。
絶滅に対する危険度により、付属書Ⅰ類、Ⅱ類、Ⅲ類に記載種が分かれており
Ⅰ類に行くほど、国際取引による絶滅の恐れが高いとされ
規制が厳しくなり、Ⅰ類記載種は学術目的などを除き基本的に野生個体の
商取引が禁止されます。

ワシントン条約自体を受け、国内での希少種保護のために
日本には「種の保存法」があります。
ワシントン条約自体は、その名の通り、国際間の取り決めとなるため
日本国内に入ってきた希少種に対する法律となります。
この法律により、ワシントン条約付属書Ⅰ類(サイテスⅠ)記載種は
国への登録が義務付けられていて、登録証が無いと
国内での移動が規制されることになります。

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国内での移動が規制されるって?ということは
まず登録証なしでの販売が出来なくなり、
個人間などでの譲渡でも登録証が必要となるということです。
なーんだ、じゃあうちでずっと飼ってる分には大丈夫って
ことじゃん!となるかもしれませんが、
オウム目は長寿の種が多く、今回話題に上がっているヨウム
50年生きると言われている種類。
今、自分が何歳でヨウムは何歳?最後まで面倒を見られる保証は??
年齢的に問題が無くても、経済的な理由や病気、転職転居、結婚離婚など
飼い主さんの側の事情が変わる可能性はいくらでもあり
これからヨウムが生きるであろう年月に
出来るだけの可能性を残してあげるためにも登録は必要だと思います。
登録証の無いⅠ類記載種は、動物園などの指定された施設に
収容されるしかなく、長くひとと「家族」として暮らしてきた
歳を取ったコンパニオンバードへの唯一の選択肢としては
過酷な場合も多々あるのではないかなぁ…と個人的に思ってしまいます。

国際希少種の登録について、
国からの委託機関として「一般財団法人 自然環境研究センター」が
現在登録機関として指定を受けています。

国際希少種の登録・製品認定|一般財団法人 自然環境研究センター

種類や取得方法によって申請に必要な書類が違ってくるというので
まだ指定をされていないヨウムについて、詳細は不明ですが
現在までのオウム目Ⅰ類記載種については、
基本的に、販売個体は購入した販売店の領収書などの購入記録、
国内繁殖個体では、繁殖証明書などがあれば申請可能なようです。
お持ちでない場合は、購入店に連絡をして発行してもらうなどの
対応が必要になります。
上記の手続き方法をよく読んで、Ⅰ類記載が決定した場合は
その申請方法を問い合わせ、登録が出来るよう準備をおすすめします。
また今回はヨウムですが、基本的にオウム目はセキセイ・コザクラ・オカメ・
ホンセイインコを除く全種がⅡ類以上の記載種です。
(ブンチョウもⅡ類種)

オウム類が最も危惧される鳥と判明 | バードライフ・インターナショナル東京

野生個体の減少著しいオウム目は、どの種もⅠ類種になる可能性は
高いので、ヨウム飼いさんだけではなく
他の種類のオウム・インコと暮らしてる方にも
ワシントン条約や国内登録について知って頂ければと思います。

固い話になりましたが、
実際に登録証が無く行くところが無いオウム・インコも
目にしています。
30年40年とひとと家族として密に付き合って来た
感情も知能も豊かないきものが、もう家族としてはどこにも
行けないという未来の可能性を少しでも少なく出来ればと思います。
現行Ⅰ類記載のオオバタンやコバタンなどに比べ
今回のヨウムは飼っている方がとても多く、
その分将来の懸念が増えると思います。
ネットやツイッター、オールバード誌などで情報発信をしても
届かない層は沢山ありますので、身近に飼っている方がいらっしゃるなど
出来るだけたくさんの方に、ヨウムの登録について
話をしてもらえればうれしいです。

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写真はお友達のおうちのヨウムさんですが、
とても面白くて、いつまで遊んでも飽きない!(^^*)
本当にとても魅力的な生きものだと思います。
世界から居なくなるようにしちゃ、いけないですね。

 

野生ヨウムの絶滅危惧については、また次回!

 

【本日とりあそび】とりのとりこさん作品展「羊毛フェルトの鳥さんたち」

3/22~東京は渋谷西武デパートで開催されていた
羊毛フェルト鳥作家とりのとりこさんの作品展を
見に行ってきました。
とりのとりこさんは鳥専門の羊毛フェルト作家さんで
リアルもデフォルメもめちゃくちゃ素敵な作品を作られる方。
出版記念で作品展開催!とのことで、喜び勇んで渋谷へGO!

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展示は野鳥もコンパニオンバードでおなじみの面々も
リアルタイプもデフォルメタイプもちっちゃなスペースながら
それぞれの世界が展開されていて、ひとつひとつの空間を
じっくりどっぷり見てしまいます…!!

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今回出る!と知ってとっても見たかったハシビロコウ
デパート内なので正面反射や映り込みが激しくて、
思った角度で全然撮れなかったのですが~(><)
伝わるだろうか…このビロさんのビロさんたる感じ…!!!
背中あたりを本当はお見せしたかったですが、全然ちゃんと撮れずだったので
とりこさんのブログで堪能してください~。
ちなみに写真とりぞうロゴ入ってますが、あくまで写真がとりぞう撮影なだけで
作品著作権はモチロンとりのとりこさんです。
というかホント綺麗に撮れてなくて申し訳ないです…。

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スズメの羽模様は地味ながら結構な複雑さなのに
とてもスズメだなあと思いながら見ていました。
脚もどうやったら全体バランス取りながら、こんなに本物みたいなんだろうと
見るだに不思議です。

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ヒムネも居たけどオニオオハシ!
こちらの感心ポイントは目の周りのオレンジの裸出部分と
嘴側の黒い羽部分との間にちゃんと白い羽部分がちゃんと
入っていることでしょうか。
本物も何故そこは黒い羽じゃダメだったん?と問いたいくらい
チョッピリ白い部分が律儀にあっていつも気になって…(笑)

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ブンチョウ!!\(^o^)/世界観も素敵でした!
そして色々とりこさんが苦労されていた姿もよみがえりました…。
すさまじいプロ根性で出来ているブンチョウです。

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この2羽は結婚式のゴンドラから降りてきそうだなと!(笑)
流石ラブバード~。
お次はきっとキャンドルサービスに来てくれると思います。

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ニコンゴウさんの角度も絶妙だなぁ。
こういう顔で見てきますよね。

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キバタンさん、全体図が見えるともっと面白いことに
なってます(笑)
かなり大柄か要ダイエットさんですね^皿^)☆

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こちらはリアル鳥さんとまた違う魅力満タンの
まるっこデフォルメ鳥さんワールド!
おしり鳥さんが居なかったのが、個人的にすこし残念でした(笑)

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一番好きな展示!
おにぎりシリーズも人気作品なのに…
食べられちゃっているよ!!

\  次は… / \ おれたちの番…? /

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いつものおにぎりたちも何かを目で
訴えてきているように、見えてきます…。
ざわわ…。

いえいえ、それで終わらないのがとりこさんワールド、
ちゃんと本物の鳥さんにお米あげちゃダメだよとかわいい
注意書きがしてあって、素晴らしいなと思いました。

そんなとりのとりこさんワールド、
残念ながら4/6で上記の作品展は終了してしまったのですが
今回出版のご本や羊毛フェルト教室、作品
HPで素敵なものが見られるので、ぜひに☆

torinotorico.hannnari.com

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現在ブログのトップ記事が懐かしすぎました(笑)
これからも沢山の作品を拝見できることを
とても楽しみにしています♪

モモイロづくし

2015年の3月と8月のオーストラリアで鳥を見る旅

モモイロインコスペシャルです。

モモイロさんは現地オーストラリアでは、大都市圏では

見ないものの、内陸に行くと珍しい鳥ではなく

電線に留まっていたり、人家のすぐ傍で見られる鳥です。

英名Galahはアボリジニの言葉だそうで、NZの動物園では

板にでかでかと「バカの意味だよ!」と書いてあって

わーそんなに大々的に言わないであげてください!と思いました~(笑)

現在3亜種が確認されていて、

わたしが見た地域がクイーンズランド州の北部と南部なので

写真は2亜種が混ざっているのではないかと思われます。

日本の飼い鳥としてはあまりなじみのない2亜種なので

初めて見た時見慣れたモモイロと違う!と少し違和感。

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内陸部の町に行くと、住宅街の公園や空き地に

たくさん群れていて、日本のドバトのようです。

もちろん町の人たちは全然気にもしていない…。

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空き地で食べているのは、中身がほとんど入っていないような

オーチャードグラスのような草の実。

種実やペレットだと確かに太るだろうなぁという食生活の垣間見でした。

地上採食性が強いので、歩くのが好きな

コンパニオンバードの子も多いですよね。
樹上生活がメインのオウムに比べると足指が短くて
面白いなぁと思います。

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食べている間もせわしなく飛んだりキャァキャァと賑やかな声があがります。

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皆飛んで行っちゃった後に取り残された若鳥たち。

どうしたらよいのかイマイチ分かっていないみたいでした(笑)

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イチャイチャはインコ・オウムの十八番ですから!的な光景もよくみました(笑)

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雨季なので緑いっぱいです。でも意外とピンク色が目立たず…。

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菜の花畑でお花を食べていたメス。

四季の境目はあまりないような気がしていたオーストラリアでしたが

緑が芽吹き花が咲き乱れる春の光景がとても美しかったです。

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青い空に桃色のお腹が映えて大好きな光景になりました。

 

オールバードVol.3 2015年5月号にも

少しですが、この探鳥旅のことを書いています。