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とりどり便り

鳥好きの鳥だらけブログ

野生ヨウムの絶滅危惧とワシントン条約付属書Ⅰ類 その3

その2のハズでしたが、その3になってしまいました
ヨウムワシントン条約附属書Ⅰ類掲載が提案・議決されたそもそもの要因である
野生個体数の激減について。

野生のヨウムは丁度アフリカ大陸の真ん中辺りの低地森林に生息をしており、
西アフリカに位置するガーナから中央・東アフリカのケニアまで広く
約14の国にまたがり横長に分布し、
一番大きく分布域を占めている国はコンゴ民主共和国です。
国際自然保護連盟(ICUN)によるレッドリストでは
コイネズミヨウムと共に絶滅の危険が増大し、
数を減らしている要因が継続する状況のままだと近い将来
「絶滅危惧Ⅰ類(近い将来絶滅の危険性が極めて高い)」への移行が
確実とされている絶滅危惧Ⅱ類VUにランク付けされています。
「数を減らしている要因」として、ペットとしての需要が多く捕獲圧が高いこと、
生息環境の悪化、また農作物を荒らす害鳥として現地で扱われていることなどで
野生下生息数の激減が判明し絶滅が大きく懸念されて
保護活動の必要性が大きく叫ばれています。

私は残念ながら現地で直接ヨウムの野生の姿を見たこと、聞いたことが無く
各所からの情報や現地で直接保全に関わっている方の話を少し聞く
くらいしか出来てはいないのですが、
それでもここ数年のインターネットへの掲載情報の取り上げられる
数が増加し、またそれが英語だけではなく
日本語の記事にも度々なっているということ自体が
事の深刻さを表しているような気もします。

2016/2/8掲載

ガーナでは間もなくヨウムが絶滅するかも知れない | バードライフ・インターナショナル東京

2016/2/10

natgeo.nikkeibp.co.jp

 

このふたつの記事はどちらも英語記事の日本語翻訳ですが、
同じ論文調査データからの報道になっています。
ヨウムが生息する西~中央アフリカの国のひとつ、
ガーナで調査、現地の人からの聞き取りの結果
たった20年前には千羽以上の群れがそこかしこで見られていたガーナの森で
現在ヨウムの姿がほぼ見られず、
地域絶滅のような状態だという記事です。

ここからのリンクは密輸の現場で行われている
現状を写真で見ることが出来ます。
英語記事ですが、写真を見るだけでも言葉だけで分からない
一羽のヨウムが輸入国に生きて届くのに20羽が死んでいる
という状況を目の当たりに出来るのはないかと思います。
目の当たりだけに、悲惨な写真が多いので
見たくない方は閲覧注意でお願いします。

 

非合法の捕獲が多く大きな問題となっている
コンゴ民主共和国(DRC)で活動している
野生動物プロジェクトのブログ。

African Grey Parrot Bust _ Now What? 

www.bonoboincongo.com

 

コンゴ民主共和国での違法捕獲・輸出は野生ヨウムの問題に
大きな割合を占めていて、今回のワシントン条約第17回締約国会議(CoP17)
プレスリリースでも議題に上るほど問題視されています。

World’s wildlife trade regulator meets to assess compliance with multilateral rules, strengthen measures to prevent extinctions and tackle illicit trafficking | CITES

Export of Grey parrots from DRC」という項目があります。

 

ヨウムの違法取引についてのインタビュー

残念ながら私が英語が分からない人間なため…
リーディングだけなら翻訳ソフトや辞書を片手に
長時間の戦いでなんとなく意味をとらえられるのですが
リスニングが壊滅の為、インタビュー内容自体が理解出来ていません。
(どなたか英訳助けてくださるととても嬉しいです…!!)
なので本当に映像のみの紹介ですが…
ヨウムを実際に飼っていらっしゃる方の方が
基本神経質な性格をとてもよく分かっていると思います。
個体差あるので一概ではないですが、ヨウムは頭が良いと言われる分
慎重で臆病でずっと相手を観察して観察して観察して
ようやく近寄ってくるような傾向を持っています。
野生のヨウムを違法捕獲する方法は、
デコイ(姿を模した模型)や本物のヨウムをおとりに使い
群れごと来そうな場所におびきよせ、
とりもちなどで一網打尽にしてしまうそうです。
そのようなやり方で捕えられるとケガや欠損も多く、
その後この映像の状態にされること自体、その繊細な性格にはものすごく
負担がかかるだろうと思います。
精神的にだけでなく、衛生や栄養の問題、寄生虫感染症
どれをとっても生き延びられる可能性の少ない状態に見えます。

 

最後に出てくる沢山の野生ヨウムが飛び交っている姿、
いつか自分の眼で見るのが夢のひとつです。
昨年オセアニアで野生のオウム・インコを見た時
その身体能力やうつくしさ、表情に圧倒されました。
アフリカなので容易には行けないと思いますが
野生のヨウムを見た時、飼育下のヨウムしか見たことの無い
自分が何を思うのか、知りたいです。

第17回ワシントン条約締結会議にて、
サイテスⅠ類掲載種となったヨウム
提案がされ議決が行われるには基本的には
科学的調査に基づいた専門機関からの確認データによる
生息数評価などが必要とされますが、
ヨウムに関しては正確な数字が出ていないにも関わらず
他の科学的根拠や生息地状況などから判断されての
ランクアップであったとのお話でした。
それだけ現地の状況が危急でデータを待っていては
とりかえしのつかない状態だという
関係諸国・団体の判断なのだと実感します。

ヨウムの密猟については、
国を越えて他国のヨウムを狩猟しているものや
現地の取締当局の不正汚職などの現地でのたくさんの問題や
人工繁殖が確立していないにも関わらず
ペットバードとしての人気が高く世界から需要があるため
繁殖個体であっても結局は親鳥として野生個体を回している
ような状況であることなど
複雑に問題が絡み合っているというお話を聞きました。
サイテスⅠ類掲載になったからといって
すぐに野生ヨウムの個体数が回復するわけではないということは
前回のブログにも書きましたが、
今回のサイテスⅠ類掲載により、世界に大きく情報が流れたことが
何よりの収穫なのかなと思っています。
野生動物を取り巻く状況は近年確実に変わって来ていて
今回の会議でも今までと違う空気を感じたと
実際に参加された方がお話しされていました。
ささやかな私の周りでも、そういうことに興味をもつ
一般の方が増えているように感じます。
先日、愛知県で開催されていた「あいちトリエンナーレ2016」
という現代芸術祭での鳥を扱った展示状況が劣悪であると
個人の方が声をあげ、
現状を鳥にとって良い方へ変えるということがありました。
そういう、ひとりひとりの考えが
大きな力になれる時代になってきています。
専門家だけでなく、普通に鳥が好き、鳥が好きでなくても
不幸な生きものがいるのはいやだという普通のひとたちが
少しづつでも現状を知り、考え、声をあげていけば
流れを変えることも出来るのではないかと思います。


そうして、流れを変えた動物として、珍しい鳥ではなくなったヨウム
現地で会えることも夢のひとつです。